【映画レビュー】SONG OF THE SEA 海のうた|アニメーションの新領域!トム・ムーア監督が描く世界の美しさ

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ディズニーともジブリとも違う。新感覚のアニメーション作品!

みなさん、スガカズの映画レビューのお時間です。

今回は、知る人ぞ知る名作

アイルランドが誇る、新進気鋭のアニメーション監督、トム・ムーア監督の作品

「SONG OF THE SEA 海のうた」です!

いや〜、やっとたどり着きました。

去年の8月でしたか、日本で公開がされたのは。やっとレビューが書けます。

名古屋の「名古屋シネマテーク」さんという小さな劇場で鑑賞したんです。

レビューの最後に、シネマテークさんについても少し書こうと思います。

この映画を大好きになった要因は、「鑑賞した劇場」の影響も一つ大きくあったように思うからです。

紋様を活かした背景美術の圧倒的美しさ!

さて、SONG OF THE SEAですが、この作品というより「トム・ムーア監督」のアニメーション表現の面白さについて、まずは語らせていただきたいです。監督の前作「ブレンダンとケルズの魔法」でも遺憾なく発揮されたその美しい表現技法は、このSONG OF THE SEAでも健在です。

どうでしょうか、映画のいたるところで、背景に平面的かつ紋様的な表現が使われているんです。まさにケルト紋様をモチーフとしたような、伝統的な表現技法です。そして、こういった表現の方法が、映画の内容・ストーリー・雰囲気にバッチリぴったりマッチしているのがまた凄まじいところ。

こんな映画、こんなアニメーション、僕はトム・ムーア監督作品を見るまで出会ったことがありませんでした。

まるで絵本のような世界。でも、きっと想像されているよりも重い表現ではなく、あくまでも映画の画面としてしっかり納まっているんです。「表現先行」の映画ではないことを強く念押ししておきます。

特に海のシーンの美しは圧巻です。

そして物語の進行と場面転換によって次々に紋様が入れ替わり立ち替わり。

細部に渡るまで表現の手法を吟味された素晴らしい映像体験です。ディズニーやジブリが好きな、アニメ映画に目が肥えた方にこそ是非見て欲しいのです。

母と子供たち、兄妹、親子の絆を描いたストーリー

海辺の灯台の家で暮らす、兄のベンと、妹のシアーシャが主人公。

幼い頃にお母さんが蒸発し、父親と厳しいおばあちゃんと四人暮らしの家族です。

シアーシャが産まれた時、お母さんは家族の元から去り、そのことからベンは、「お母さんがいなくなったのは妹のシアーシャのせいだ」と思い込んでいます。

はたから見ても決して中の良い兄妹とは言えない二人が、冒険を通して「両親の愛」や、「お互いの大切さ」を知り、人を思いやることを学んでいく映画です。

親子と兄弟の絆を中心に展開をしていきますが、割とアクションや派手な展開も多く、見ていても楽しい映画だったります。ベンの相棒「犬のクー」は信頼できる兄貴分で、ベンの冒険を支える重要なキャラクターです。悪役のフクロウの魔女「マカ」もミステリアスで良い悪役っぷりを発揮してくれます。

僕は割と家庭に問題あり・・・な時期が多かったので、ベンに非常に感情移入してしまいました・・・。父との確執、妹への嫉妬、そういったものを乗り越えていくベンの姿には勇気をもらえます。

ケルト文化を中心とした世界観が心地よい

全体的にケルト文化を取り入りれた、日本人にとっては「良い意味で馴染みのない単語」や表現が多く、それだけでも面白い作品です。

ストーリーや細かい設定はケルトの神話を中心にしており、これがいつも見ているファンタジーとはまた一味違った雰囲気を作り出している要因になっていると思います。

アイルランドの神話に登場する”セルキー”という妖精が物語の核になります。

セルキーについてはコチラをどうぞ!

セルキー (英語: silkies, selchies, アイルランド語/スコットランド・ゲール語: selchidh, スコットランド語: selkie fowk)はスコットランド神話、アイルランド神話、およびフェロー諸島の民間伝承に見られる神話上の生物である。類似した生物はアイスランドの伝承にも登場する。語源は古いスコットランド語のselich(古英語おけるseolh、意味は英語のsealである。セルキーは海中ではあざらしとして生活しているが、陸にあがるときは皮を脱いで人間の姿になると言われている。セルキーの伝承はとくにオークニー諸島、シェトランド諸島において多く見られ、その内容は「白鳥乙女の伝説」(日本の羽衣伝説に似る)に酷似している。

wikipediaから引用

魔法の概念もハリーポッターに代表されるファンタジーのものとは少し違ったりもして、ファンタジー好きには新しい感覚のある映画になると思います。

ケルトっていわゆるルーン文字の生まれ故郷だったりして・・・ファンタジー好きにはたまらないお話がたくさんあるんですよね。

「SONG OF THE SEA」は本当にアニメーションとして新しい発見の多い作品ですよ!アニメ映画好きなら絶対みて置いてほしいです。僕はトム・ムーア監督の美的センスが大好きなんです・・・是非皆さんもトム・ムーア監督の世界にふれてみてください。

素敵な予告ムービーもご覧ください。テーマソングが頭に残る、美しい曲です。

「SONG OF THE SEA」はなかなかレンタル屋さんには並ばない作品です・・・でもジブリやピクサー(特にモアナやメリダ)が好きなら後悔はしないのでは・・・と思います。是非是非見て欲しい作品の一つです!

SONG OF THE SEAが気になるなら、こちらの「美しい映画まとめ」の映画たちもお好きだと思います。映像やストーリーが美しい作品たちです。特に「ブレンダンとケルズの魔法」はトム・ムーア監督の前作です。

【美しい映画10選】思わず見惚れる、映像・ストーリーが美しいオススメ映画10選!
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物語・映像、その全てが美しい。そんな映画たちを私スガカズの独断と偏見でピックアップをしたオススメの『美しい映画10選』です!元デザイナーの知見をフルに活かして、映像の色彩が美しく、そしてストーリーはノスタルジーを刺激されるような映画を選びました!

【おまけ思い出語り】名古屋シネマテークさんについて

SONG OF THE SEAが見たくて、公開劇場を調べたところ・・・「名古屋シネマテーク」さんという小さな劇場一つでしか上映をされていませんでした。普段はイオンシネマなどの大きい劇場ばかりに足を運んでたい僕にとって、もうワクワクが止まらないような劇場でした。

今池の雑居ビルの中にある、昭和の映画館がそのまま残っているような、本当にレトロで素敵な映画館さんなんです。SONG OF THE SEAのような映画って、「自分で選んだ作品を、最高に楽しみにして見に来た人」がほとんどなんですよね。アンテナをはってないと知ることのない映画です。そこに加えて映画好きでしか訪れることのない小さな劇場。そんな「好きなものを共有する場」として最高の雰囲気を持った劇場さんでした。

僕がチケットを買った時にはもう満席で、劇場の隅っこの、「なんか出っ張ったところ(笑」に座布団を敷いて席を作ってくださいました。そのあたりの緩さもたまらなく好きでした。結構マイナーなフランス映画などを上映されていて、また行きたくなる素敵な劇場さんです。

名古屋シネマテークさん公式HP

Nagoya Cinematheque名古屋シネマテーク公式サイトにようこそ。今月のスケジュールもオススメいろいろです。トップページには舞台挨拶やトークイベントの情報も随時掲載します。

「SONG OF THE SEA」はストーリーも映像も素晴らしい映画です。

ぜひみなさまご鑑賞ください!

あなた、この映画見ずにシネマスカ?

それはまた次の映画でお会いしましょう。

ではではー!